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第1次越冬隊の犬置き去り報道

帝都新聞の内海典章(緒形直人)が登場するするTBS大河ドラマ「南極大陸」の第7話と実話「南極物語」との比較とネタバレと感想の後編です。


このページは『ドラマ「南極大陸」第7話と実話「南極大陸」の比較』からの続きです。

■南極観測船「宗谷」の報道
国家事業の「南極地域観測」は、当初は朝日新聞の主催する「南極学術探検」だった。

朝日新聞は学者を南極へ送り、独占報道する予定であったが、南極観測船を調達する資金の問題から、南極学術探検は国家事業へと発展した。

その後、各報道機関から「国家事業なので朝日新聞が独占報道をするのは不公平だ」との批判があり、折衝の末、朝日新聞から1名、共同通信から1名の計2名を報道担当として南極観測隊に加えることになった。

共同通信は各新聞社の代表だった。朝日新聞は1億円(2011年の10億円に相当)の寄附やセスナ機やヘリコプターを提供したほか、事務手続きなども担当していた。この功績を無視できないため、朝日新聞には独自の報道が認められていた。

このような経緯から、第2次南極観測隊には、朝日新聞の疋田桂一郎と、共同通信の吉田基二の計2名が参加しており、南極観測船「宗谷」の情報は日本で大きく報道されていた。

■樺太犬の置き去り報道
第2次南極観測隊には、朝日新聞の疋田桂一郎と、共同通信の吉田基二の計2名が参加しており、日本では樺太犬の置き去りについても大きく報じられた。

このため、ドラマ「南極大陸」の第7話で、越冬隊の自宅に「犬殺し」の張り紙を張られたり、樺太犬に対する電報が殺到したように、実話でも大きな反響があり、自宅に脅迫文や脅迫電話などがあり、警察が自宅を警備する事態に発展していた。

■満身創痍の南極観測船「宗谷」
第2次南極観測船「宗谷」はアメリカの砕氷艦「バートンアイランド号」の救援によって昭和基地から110km地点に接岸していた。

このとき、宗谷は左舷スクリュー(プロペラ)1枚の4分3を折り、性能の2割から3割を欠いていた。このため、バートンアイランド号の助けがなければ、外洋に脱出できない状態だった。

バートンアイランド号のブラッチンガム艦長からの離岸勧告は、事実上の命令だった。それで、南極観測船「宗谷」は外洋へ脱出することとなった。

脱出は簡単ではなく、バートンアイランド号は定着氷に船首を突き刺してしまい、ワイヤーをかけて宗谷が引っ張りだとうとしたのだが、ワイヤーが切れてしまう。それで、氷を爆破して脱出するという有様だった。

一方の宗谷も氷の上に乗り上げてしまい、後退するときに推進軸を損傷するなどして、ようやく外洋に脱出した。

外洋へ脱出した南極観測船「宗谷」は、左舷スクリュー1枚の4分3を欠損、舵頭材が左舷に10度35分に曲がる、バルジの耐水外板が湾曲、ビルジキールの屈折などしており、満身創痍であった。

■外洋脱出
2月17日に外洋へ脱出した南極観測船「宗谷」は、氷山などを避けるため、大きく北上し、第2次越冬隊を送り込むために天候の回復を待つ。

宗谷側の意見などを聞いた日本の南極地域観測統合推進本部が2月22日に、「空輸が成功しない場合は2月24日に帰還せよ」と通告した。

宗谷は再び、昭和基地に近づいて、空輸のチャンスを待つが、2月24日正午に第2次越冬隊の隊長・永田武が第2次越冬隊の成立を断念した。

越冬隊の成立を断念した理由は、水不足や燃料不足など色々な事情があるが、宗谷の船長・松本満次が宗谷の状態を総合的にみて「船の安全を保証できない」と判断したからのようである。

このとき、ドラマ「南極大陸」ではアメリカの砕氷艦「バートンはん」は次の救助に向かって立ち去るが、実話「南極物語」ではバートンアイランド号も外洋に残り、第2次越冬隊を送り込むのに適した海域を探してくれた。

■随伴船「海鷹丸」は居なかった
第1次南極観測隊の時には、随伴船として東京海洋大学の練習船「海鷹丸」が外洋まで同行していた。

しかし、第2次南極観測隊では随伴船「海鷹丸」は同行していない。海鷹丸は随伴船から外され、予算を大幅にカットされていたのである。

■南極観測への恨み節
日本は、国際地球観測年(IGY)のロケット観測など9部門に参加しており、南極観測はその1部門に過ぎなかった。

第1次南極観測隊の当時、文部省の予算は9億7500万円だった。このうち、7億5000万円が南極観測事業に割り当てられ、残り8部門はわずか2億2500万円しか予算が下りなかった。

大きく予算を削られた観測8部門は、南極観測に対する恨み節があったのかもしれない。

■第2次南極観測隊
ドラマ「南極大陸」では第2次南極観測隊は何もしていないが、実話では南極観測船「宗谷」の中で、色々と観測したり、サンプルを採取したりしている。

当然、南極へ行くまでの間も、磁気調査や重力調査などの観測も行っている。あくまでも南極観測は国際地球観測年(IGY)の1部門なのである。『ドラマ「南極大陸」第7話の感想』へ続く。

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