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外務省機密漏洩事件とペンタゴン・ペーパーズ事件

真木よう子が出演するTBSの外務省の女性事務官ドラマ「運命の人」の最終回(第10話)の感想の後編です。


このページは『ドラマ「運命の人」の最終回の視聴率と感想』からの続きです。

■弓成亮太(本木雅弘)の目的外使用
弓成亮太(本木雅弘)は、外務省の女性事務官・三木昭子(真木よう子)から入手した極秘電信文を、社進党の横溝宏(市川亀治郎)に横流しした。これは明らかに目的外使用である。

弓成亮太(本木雅弘)が新聞紙面で沖縄密約を追求する限りは、弓成亮太の取材に正当性があると思えるが、社進党の横溝宏(市川亀治郎)に機密電信文を横流しした時点で、弓成亮太の取材に正当性は無いと思う。

弓成亮太(本木雅弘)の行動は、ペンタゴン・ペーパーズ事件のダニエル・エルズバーグの行動と比較されることがあるが、ダニエル・エルズバーグとは性質が違う気がする。

毎日新聞の記者・西山太吉は、1972年に外務省機密漏洩事件で逮捕された。その1年前の1971年にアメリカで、国家機密漏洩事件「ペンタゴン・ペーパーズ事件」が発生している。

ベトナム戦争に関する極秘文書「ペンタゴン・ペーパーズ」の制作に関わったダニエル・エルズバーグは、ペンタゴン・ペーパーズをニューヨークタイムズに漏洩した。

ペンタゴン・ペーパーズには、アメリカ政府が国民を欺き、アメリカを泥沼のベトナム戦争に引きずり込んだ証拠が記されていた。ダニエル・エルズバーグは投獄を覚悟で、国民のためにペンタゴン・ペーパーズを漏洩したのである。

その後、ダニエル・エルズバーグは、マイク・グラベル上院議員にペンタゴン・ペーパーズを渡し、議会で読み上げさせた。

ダニエル・エルズバーグは、議会で読み上げさせることにより、ペンタゴン・ペーパーズを議事録(公式文書)に残したのである。

確かに、弓成亮太(本木雅弘)は社進党の横溝宏(市川亀治郎)に極秘電信文を横流しすることにより、テレビ中継を介して沖縄密約の存在を国民に示した。

しかし、弓成亮太(本木雅弘)は毎朝新聞の記者であり、取材で得た情報は毎朝新聞の紙面で使用するべきである。社進党の横溝宏(市川亀治郎)への横流す行為は目的外使用であり、一連の行為は正当とは思えない。

ドラマ「運命の人」では、弓成亮太(本木雅弘)の目的外使用については糾弾されていないが、私は目的外使用をもっと糾弾するべきだと思った。

テレビ局の記者や報道関係者が時々、株のインサイダー取引で逮捕される事件が起きている。だから、目的外使用は禁止するべきだと思う。

■沖縄返還と沖縄密約
戦争とは、政治的目的を達成するための手段の1つに過ぎない。クラウゼヴィッツは諸著「戦争論」で、戦争をそう定義している。

大切なのは政治的目的を達成することであり、「戦争」や「密約」というのは、政治的目的を達成する手段に過ぎない。

密約によって国民を欺いたとしても、佐橋総理(北大路欣也)が「沖縄返還」という政治的目的を達成したことは評価に値する。

沖縄返還を目的と手段に分けて評価すると、沖縄返還の実現は「ベスト」であるが、沖縄返還の手段とした「密約」は「ベター」だったと思う。

堂々とお金を払って沖縄を買うのが「ベスト」だと思うが、沖縄返還問題に関しては、日米地位協定や日米安保条約だけでなく、当時、交渉していた日米繊維交渉との兼合いもあるので、密約にせざるを得なかったのではないかと思う。

弓成亮太(本木雅弘)の場合も、肉体関係を持った外務省の女性事務官から機密電信文を入手し、進党の横溝宏(市川亀治郎)に横流ししたという「手段」が問題なのであり、沖縄密約を暴こうとする「目的」は正しいと思う。

■弓成亮太(本木雅弘)は沖縄のために何をした?
ドラマ「運命の人」で、弓成亮太(本木雅弘)は何をしたのかがよく分からなかった。

沖縄返還に尽力したのは佐橋総理(北大路欣也)で、弓成亮太(本木雅弘)ではない。弓成亮太はただ、毎朝新聞の記者としての仕事をしただけである。

ドラマ「運命の人」は、沖縄返還に伴う日米の密約がテーマにっているが、沖縄そのものはあまり関係が無いように思えた。

弓成亮太(本木雅弘)が沖縄へ取材へ行く描写も無かったし、最終回の舞台が沖縄であることに少し違和感が残る。

■ドラマ「運命の人」の最終回
ドラマ「運命の人」の最終回は、つまらなかった。最終回は原作の4巻「沖縄編」にあたる。原作を読んだときも4巻「沖縄編」は必要ないと思ったので、ドラマでも最終回は必要ないと思った。

外務省機密漏洩事件(西山事件)をモデルとしているのだから、沖縄編をやらずに、最高裁の棄却で終わった方がスッキリしたと思う。

実話「運命の人」のあらすじとネタバレは「外務省機密漏洩事件(西山事件)のあらすじとネタバレ」をご覧ください。

ドラマ「運命の人」の登場人物の実在のモデル一覧は、『「運命の人」の実在のモデル』をご覧ください。

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