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湊かなえ「Nのために」-あらすじと犯人ネタバレ感想文

湊かなえの原作小説「Nのために」のあらすじや犯人や結末のネタバレを含む夏休み読書感想文の感想編です。


このページには湊かなえの原作小説「Nのために」のあらすじや犯人や真犯人や結末のネタバレのほか、解釈や解説が含まれています。原作小説「Nのために」のあらすじや犯人のネタバレを知りたくない人は、閲覧にご注意ください。

原作小説「Nのために」のあらすじと犯人・結末ネタバレ編は「原作小説「Nのために」のあらすじとネタバレ」をご覧下さい。

■杉下希美が成瀬慎司のために
成瀬慎司は、杉下希美と同じ青景村(青景島)の出身で、高校時代の同級生である。共に家庭環境に悩みを抱えており、将棋を通じて仲良く成った。

成瀬慎司は、実家が青景村(青景島)にある老舗の料亭「さざなみ」だったが、不況のあおりを受けて、パチンコ店に売却されることになり、東京の大学へ進学するという夢を失っていた。

一方、杉下希美の父親は自宅に愛人を住まわせ、妻と杉下希美と弟・杉下洋介の3人は追い出した。杉下希美は自宅が火事になる妄想をしつつ、シャーペンを4回成らして、成瀬慎司に「たすけて」というメッセージを送っていた。

そのようななか、杉下希美が自宅や父親が火事になる事を妄想していると、実際に火事を目撃し、駆けつけると、成瀬慎司の実家が火事になっており、その前に成瀬慎司が立っていた。

杉下希美はこの火事で妄想の中の自宅や父親を焼き尽くし、自分を解放してくれた成瀬慎司に感謝した。

そして、杉下希美は、成瀬慎司が放火したのだと思い、成瀬慎司のために(Nのために)偽のアリバイを証言し、成瀬慎司のために(Nのために)奨学金の申込用紙を譲った。

■杉下希美が安藤望のために
安藤望はボロアパート「野バラ荘」の住人で、杉下希美は台風で部屋が床下浸水したときに安藤望と知り合い、一緒に清掃会社でバイトをした。

杉下希美は体重が50kg以下だったのでビルの窓清掃用のゴンドラに乗れなかったが、安藤望がスキューバダイビング用のウエイトを付けるという方法で体重の問題を解決してくれ、ゴンドラに乗せてくれた。

これに感謝した杉下希美は、高見を目指す安藤望を邪魔をしてはいけないと思い、安藤望のために(Nのために)、野口奈央子を助け出す作戦に安藤望を加えなかった。

そして、杉下希美は事件当日、安藤望が野口貴弘との将棋五番勝負で負ければ、僻地へ海外赴任させられることを知り、野口貴弘に傷害事件を起こせば、安藤望の僻地行きも中止になるだろうと考え、安藤望のために(Nのために)、野口貴弘に妻・野口奈央子の不倫相手が来ることを教えた。

■杉下希美が西崎真人のために
西崎真人はボロアパート「野バラ荘」の住人で、杉下希美は台風で部屋が床下浸水したときに西崎真人と知り合った。

西崎真人は自称作家で「灼熱バード」という小説を書いており、小説「灼熱バード」を読んだ杉下希美は、「灼熱バード」に登場するバードは西崎真人で、西崎真人が深い闇を抱える同類だと気づく。

そして、杉下希美は西崎真人のために(Nのために)、西崎真人が不倫相手・野口奈央子を救出する計画に協力した。

■成瀬慎司が杉下希美のために
成瀬慎司の実家は青景村(青景島)の老舗料亭「さざなみ」だったが、経営が傾き、パチンコ店に売却されることになり、成瀬慎司は東京の大学へ進学する事を諦めていた。

しかし、杉下希美が青景村(青景島)で1人しか受けることが出来ない奨学金の申請書をくれたため、成瀬慎司は奨学金を得て東京の大学へ進学する事が出来た。

このため、フレンチレストラン「シャルティエ・広田」の出張サービスを担当していた成瀬慎司は、杉下希美から野口奈央子救出作戦への協力を要請されたとき、杉下希美のために(Nのために)に協力した。

■安藤望が杉下希美のために
安藤望は杉下希美に恋愛感情があり、杉下希美のために(Nのために)、杉下希美を窓清掃用のゴンドラに乗せた。

■西崎真人が杉下希美のために
事件当日、杉下希美は燭台で野口貴弘を殺害したが、西崎真人は杉下希美を殺人犯にさせないために(Nのために)、自分が犯人として犯行を自供した。

■杉下希美と西崎真人は「野バラ荘」のために
杉下希美と西崎真人の2人は、「野バラ荘」がマンション開発計画によって土地売却を迫られている事を知り、野バラ荘を守るために(Nのために)、ビル売却に反対している資産家の息子・野口貴弘に近づいた。

■火事の犯人
成瀬慎司の実家の料亭「ささなみ」は不況のあおりを受けて経営が悪化し、パチンコ屋に売却され、成瀬慎司はアパートに引っ越した。

そして、料亭が売却され、成瀬慎司がアパートへ引っ越した日、料亭は火事で燃え、燃えさかる料亭の前に成瀬慎司が立っていた。

状況証拠としては成瀬慎司が放火した犯人と疑われても仕方が無い状況であった。実際、火事は放火によるもので、杉下希美も成瀬慎司を火事の犯人だと思い、成瀬慎司を守る為に嘘のアリバイを証言している。

ただ、杉下希美は成瀬慎司を放火犯だと思い、「罪の共有」をしたが、成瀬慎司が火事の犯人ではないようだ。

■杉下希美の病気
事件から10年後、杉下希美は余命半年の余命宣告を受け、病院に入院している。杉下希美は何の病気で余命宣告を受けたのだろうか。

原作小説「Nのために」には杉下希美の病名は出てこないので、杉下希美の病名は分らない。

杉下希美は精神バランスを崩して、常に大量の食べ物を備蓄しておかなければなかったが、食べても食べても太らず、体重が50kgを超えることは無く、瞬時に物事を記憶する優れた記憶力を持っていた。

杉下希美が精神的に病んでる「ヤンデレ」なのは間違いないだろう。しかし、これが、杉下希美が余命宣告を受けた病気に直接、関係があるのかは分らない。

杉下希美の病気は気になるところだが、杉下希美の病名がストーリーに大きな意味を与えるとは思えないので、病名を追求する必要は無いだろう。

ただ、なんとなく、余命宣告を受けた杉下希美の描写を読んで、部屋に監禁されていた野口奈央子を連想した。杉下希美は本当に病院に入院していたのだろうか。本当は監禁されていたのではないだろうか。

■西崎真人の感想
杉下希美は青景村(青景島)時代に精神的なバランスを崩し、大量の料理を作ってタッパニーに保存していたが、「野バラ荘」の仲間と交流することで、一時的に症状は回復していた。

一方、西崎真人は幼少期に虐待を受けており、そのトラウマから火が使えず、火を使った料理を食べなかった。

ただ、西崎真人は杉下希美が作った肉じゃがを食べていたので、杉下希美と同様に「野バラ荘」の仲間と交流することで、一時的に回復していたのだと思う。

さて、西崎真人は野口夫婦を殺害していなかったが、「野口奈央子を殺人犯にしたくない。殺人の動機が愛なんて駄目だ。俺が犯人になれば、動機は復讐になる」と言い、殺人を自供した。

しかし、西崎真人は本当に「野口奈央子を殺人犯にしたくない」という理由で、殺人犯になったのだろうか。

私は、「野口奈央子を殺人犯にしたくない」のではなく、西崎真人が殺人犯になれば、「野口奈央子は不倫相手・西崎真人を愛しており、DVの夫から逃げようとした」という既成事実が残るため、西崎真人は殺人犯になったのだと思った。

西崎真人については、10年後に事件を回想するシーンが無いので、真相は藪の中である。10年後の西崎真人が事件を回想するシーンがあれば、良かったと思う。

■安藤望の感想
安藤望は杉下希美に恋愛感情を持っていた。杉下希美は安藤望に親切だったが、それは恋愛感情というよりも、感謝や尊敬とという感情のように思えた。

杉下希美は「安藤望に迷惑を掛けたくない」という理由で、安藤望を計画に加えなかった。それが、安藤望が野口家のドアの外についているチェーンをかけることに繋がる。

しかし、私は、安藤望が野口家のドアにチェーンをした理由・心境が理解できなかった。

原作小説「Nのために」に登場する人物の中で、安藤望は唯一まともな精神状態の人間だと思っていたが、私には野口家のドアにチェーンが理解できなかったので、安藤望も精神的に屈折していたのかも知れない。

■Nのために-結末の感想
西崎真人は野口夫婦を殺害した犯人として逮捕されたが、西崎真人は犯人ではなく、真犯人は死んだ野口奈央子だった。

事件の真相は、野口奈央子が夫・野口貴弘を杉下希美に取られると思い、夫・野口貴弘を独占するために野口貴弘を殺して自殺したというものであった。

原作小説「Nのために」の1つテーマである「すれ違い」があり、数々のすれ違いにより、野口夫婦が死ぬという結末を迎えた。

数々のすれ違いのうち1つでも欠けていれば、野口夫婦が死ぬという結末は迎えていなかった。もし、誰かが勇気を持って相手に訊いていれば、違った結末を迎えていたのである。

日本には、相手の心情を推し量るという美徳があり、訊きたいことを訊かない場合がある。

しかし、どれほど強く願っても、言葉にして伝えなければ、絶対に思いは伝わらないので、訊きたいことは訊いた方が良いともう。

日本には「案ずるより、産むが易し」という言葉があり、思い切って訊いてみると、大した事は無いという場合も多い。

杉下希美は家事の犯人を成瀬慎司だと思っていたが、犯人は成瀬慎司ではなかったのだから、杉下希美も思い切って放火について尋ねていたら、誤解し続けることは無かったのである。

湊かなえの原作小説「Nのために」を読んで「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という諺を思い出した。

■灼熱バードの感想
灼熱バードは、生きるために愛にすがりつく鳥の話だと思った。西崎真人は生きるために母親に愛を求めた鳥であり、杉下希美は生きるために父親の愛人に土下座をした鳥である。

日本には、会社を辞めたくても辞められず、生活のために必死に会社にしがみつく人が大勢居る。

おそらく、灼熱バードに登場する鳥は鳥かごのドアが開いていても飛んでいかないだろう。飛べないのでは無く、自らの意思で飛ばないのだ。

野バラ荘の管理人は、野バラ荘を売れば良い暮らしができると分っていても、野バラ荘を売ることを拒んだ。彼もまた、灼熱バードだったのではないだろうか。

■湊かなえの嘘
湊かなえの原作小説「Nのために」を読んで思ったのは、著者の湊かなえは読者に嘘を付かなかったのだろうか、という事である。

原作小説「Nのために」のテーマの1つに「嘘」があるので、著者・湊かなえが読者に嘘を付いていれば、面白いと思った。

事件の真相は野口奈央子が夫・野口貴弘を殺して自殺したことになっているが、それは湊かなえが読者に付いた嘘で、本当は杉下希美が野口奈央子もしくは野口貴弘を殺したのではないだろうか、と思った。

ただ、これは、著者の湊かなえが読者に嘘を付いていれば面白いだろうな、と思っただけで、この解釈を裏付ける根拠は無い。私の妄想である。

■究極の愛
杉下希美は「究極の愛」を「罪の共有」だと言っている。一緒に罪を犯す「罪の共犯」ではなく、「罪の共有」である。

「罪の共有」とは、誰にも知られず、相手にも知られずに、相手が犯した罪を半分引き受ける事である。杉下希美は密かに相手の罪を共有し、身を退く事が「究極の愛」だという。

杉下希美が「罪を共有」したのが、成瀬慎司の火事事件で、杉下希美は成瀬慎司に知られず、成瀬慎司の罪を共有し、その後、成瀬慎司から身を退いた。

私は原作小説「Nのために」を読んで、ハリネズミのジレンマ(ヤマアラシのジレンマ)という話を思い出した。

ハリネズミは他のハリネズミに近づこうとすると、体の針で相手を刺してし、相手の針で自分も傷ついてしまうため、近づきたくても近づけない。

しかし、ハリネズミは何度も傷つけ合ううちに、お互いに適切な距離を見つける事に成功する。

杉下希美は、「罪の共有」が「究極の愛」だとして、成瀬慎司から身を退いてしまうが、それが本当に「究極の愛」なのだろうか。

1人で完結させる愛なんて、自慰と同じではないだろうか。だから、私は、杉下希美の「究極の愛」を「究極の愛」だとは思わなかった。

空を飛んだ事の無い童貞ペンギンは、空を飛ぶ鳥の気持ちが分らない。カゴの中に閉じ込められた鳥は、大空を自由に舞う鳥の気持ちが分らない。

杉下希美は「究極の愛」を知らないから、自慰的な愛を「究極の愛」と錯覚し、「究極の愛」だと思い込んでしまったのでしまったのではないだろうか。

また、私は、杉下希美は逃げただけだと思う。杉下希美は傷つくことや、傷つけることから逃げたのだと思う。

杉下希美は余命宣告を受けたとき、「結婚しなくて良かった」「子供を作らずに良かった」と思った。

私は、死に際に「~をしなくて良かった」と思う人間が幸せだとは思えないので、杉下希美の言う「罪の共有」が「究極の愛」だとは思えない。

杉下希美がハリネズミのように傷つけあいながらも、成瀬慎司との適切な距離を見つける事が出来ていれば、本当の「究極の愛」の愛を見つけ、違った人生を歩めたのではないか。

私は、死に際に「結婚しなくて良かった」「子供を作らずに良かった」と思うよりも、「結婚して良かった」「子供を作って良かった」と思う人生を歩みたい。

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コメント

スポンサーサイト湊かなえ「Nのために」-あらすじと犯人ネタバレ感想文へのコメント

規定数に達したのでコメントの受付は停止しました。こちらは、コメント欄です。

わかりやすいネタバレまとめ、ありがとうございました。
下記一点誤りかなと思いました。

■安藤望が杉下希美のために
安藤望は杉下希美に恋愛感情があり、安藤望のために(Nのために)、杉下希美を窓清掃用のゴンドラに乗せた

ではなく
■安藤望が杉下希美のために
安藤望は杉下希美に恋愛感情があり、杉下希美のために(Nのために)、彼女を窓清掃用のゴンドラに乗せた

RCH : 2014年10月12日(日)

■RCHさんへ
ご指摘ありがとうございます。安藤望の名前が入れ替わっていたので訂正しました。

管理人 : 2014年10月13日(月)

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